レヴィオルストーリー
「願い?」
「あたし、自分が刺されてでもいいからギルクを助けたいって思ったの。そしたら、その通り☆刺されたじゃなかったけどね♪」
イルが言った途端、アレンは少し俯いた。
そして、真っ直ぐにイルを見ると、
「ごめん」
と謝った。
「…え?」
目をぱちくりさせるイル。
「…俺が、弱かったから。あんな妖術にかかって…。」
アレンはギルクとレイも見た。
「…本当にごめん。」
「でも、アレンも戦ってたじゃない。」
レイが沈黙を破って静かに言った。
「え?」
「お前、自分の中で妖術と戦ってたんだろぉ。だから、俺のこと刺すんじゃなくて斬ろうとしたんだ。その方がまだ大丈夫だから。」
ギルクがウインクする。
「……………。」
アレンは黙り込んでしまった。
必死に言葉を探しているらしい。
そして。
「…ありがとう」
そう言ってまたあの満面の笑みを浮かべた。
「!」
レイがトマトの如く真っ赤になる。
「わぁ、アレン、やっぱそれい~よぉ!もっかい笑って!」
「え?」
「アレンもあんな風に笑うんだなぁ。」
ギルクがアレンの肩に手を置きながら朗らかに言う。
「え?俺?何?」