レヴィオルストーリー
「はい?」
目を丸くしたギルクが鬱陶しくなる態度で聞き直した。
「…お前にはもう言わない」
「嘘嘘嘘嘘!教えてくださいアレン様!!」
土下座する自分より歳上のギルクを無視して、アレンはレイとイルの方を向いて話し始めた。
「…10歳の誕生日のときにさ、いきなり魔力が身についたんだ。
そんときはビックリしただけだったんだけど、俺の魔力をたまたま見た旅してた知らない大人が襲ってきて。
…俺はそのときもう剣士になるって決めてたし、そんな魔力ならいらないと思って、
…………そんで封印した」
「どうしていらないのよぉ、凄いのに。剣も使えて魔力も使えるなんて最高じゃない?」
イルがギルク以上に目を丸くした。
「…最高じゃなくてもいい。俺は、剣が上手くなりたかった。それだけ。」
「でも襲われるなら戦って修行するチャンスじゃねぇか」
さらっとギルクが言った。
「…めんどい」
し~ん。
「…えっとさ、強くなりたかったんだよな?」
「ん、剣でな」
「じゃあ、どうしてめんどくさいってことになるのかしら」
「だってあいつら弱かったし」
「それって大人、よねえ」
「…さっき言っただろ」
………アレンて、10歳の時点でどれくらい強かったんだろう。
同じ考えが三人の頭を過った。