レヴィオルストーリー
25.商業の村
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「着いたぞー商業の村、フェニックビレッジ!!」
「わぁ、すご~い☆村一面全部市場♪」
突っ走っていく二人を見て、アレンはため息をついた。
カルアシティを出て6日くらい経っただろう。
さすがにあの二人も疲れるだろうと思っていたが、そんなことはないようだ。
逆に超元気にはしゃぎまくっている。
「…呆れを通り越して感心だな」
「そうね…」
一人だけ超疲れた様子のレイが短く言葉を返す。
「大丈夫?」
少し気になったアレンはレイの顔を覗き込んだ。
またレイが赤くなる。
「…熱?顔赤い」
そう言ったアレンは屈んで真ん前からレイの額に手を当てた。
更に真っ赤になるレイ。
─やだ、顔近い!
心臓、壊れそう………
「…熱はない…よな?」
アレンが手を離すと、レイは誰にも聞こえないくらい小さいため息を漏らした。
………ほぅ。
アレンがたまにだがちゃんと笑うようになって、ますますレイは彼を気にするようになった。
……好き。
でも、言えない。
言って関係がギクシャクしてしまったりしたら、それこそ地獄。
せっかく、心を開いてくれたのに。
旅の最中にそんな感じになったりしたら、やりきれない。
「おい、そこのバカップル。宿、探すぞ」
アレンの声にふと我にかえる。
バカップルと呼ばれた二人は大笑いしながら大喜びで戻ってきた。