レヴィオルストーリー
「あは、やだぁ。バカップルって、アレンたらぁ~」
そう言ってイルはアレンの背中をバシッと勢いよく叩く。
照れてるのか怒っているのか、よくわからない。
「まぁ俺らは将来結婚するからなぁ~、幸せ絶好調だし、アレンも羨ましいんじゃねぇのぉ」
にやにやしながらそう言うギルクは、レイの肩に手を置いた。
「なぁ、レイ?」
「えっ?」
急に話を振られたレイは聞き返す。
「あっ、待ってぇ、アレン~」
馬鹿な仲間たちを残して、アレンは一人歩き出していた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「…なぁ、宿主さん。」
「ん、なんだい。あんたさっきも思ったけど可愛い綺麗な顔してるねぇ。」
「…どーも。ここ、いくらだったっけ?」
「あぁ、一人一泊3000¢だよ。」
「3000¢…。じゃあ、四人だと12000¢もすんの?」
「そうだねぇ。大人数は大変だねぇ。」
「うん、でさ。前に泊まったところは三人以上だと割引だったんだ。」
「へぇ、そうかい。」
「しかも四人で6000¢。」
「……………。」
「ここはさ、そういうのないの?」
「………………。」
アレンが宿のカウンターで宿主のオバサンを見つめて交渉してる間、三人は長椅子に座ってその様子を眺めていた。
「あいつ、金には抜かりねぇなぁ。今度俺もやってみよっかな。」
「あれはアレンだからできるのッ。ギルクがやっても失敗するわよ?」
「オバサン、私達が宿に来たとき、アレンをずっと見てたものね。」
「イケメンの特権ねッ。」
「…俺は違うの?」
「「普通」」
ギルクは少し落ち込んだ。