レヴィオルストーリー
「ふぅ…」
アレンは一人、外に出ていた。
星空の下、宿の側の公園のベンチに座り、噴き上げる噴水を見上げる。
「……。」
アレンはここ数日ずっと考えていた。
あの、神の予言と魔王のことで。
(あの、あいつらの赤い目。母さんを殺した奴と一緒だった。)
そしてあいつらは、魔王の配下。
今まで、母を殺したのが誰なのか、全くわからなかった。
でも、ここで一つ可能性が出てきた。
「…母さんを殺したのは、魔王…なのかな」
あいつは、碧の瞳をしたアレンを見て取り乱した。
碧の瞳の少年、と言っていた。
アレンを見て反応する人がいないので、予言を知っている人は極少ないだろう。
だとしたら、あいつが知っていたのはどうしてだ?
(…それが、自分の関わることだから?魔王は、碧の瞳をした少年に倒されることを恐れてる。クロム達を寄越すくらいだし、な。)
やっぱり、魔王が………。
どれだけ考えてもそれしか思い付かない。
「…『また大切なものを失う』、『あの人』。」
母の言っていた言葉。あの人。
それも気になるが、アレンはあえて深くは考えなかった。
「…魔王が母さんを殺したとして、俺はどうすんだ?」
復讐でもするか?
でも、そんなことして母が還ってくるわけではない。
魔王は国を支配こそはしているが、特に冷徹で残酷と呼ばれるような悪事はしていない。
国の頂点にいるだけ。
勇者と変わりない。
(…俺が知らないだけなのかな)
アレンは一つ、深いため息をついた。