レヴィオルストーリー


「リップルぅ!?」

イルが水魔を指差して大袈裟に後退りする。
が、雷が鳴ったのですぐにテントに潜り込んだ。

「ど、どどどうしてここにいるののの?」

相当雷が怖いらしく、ギルクの腕にしがみつき噛みまくりながらも、アレンにピッタリくっついて離れない美しい妖魔に聞いた。

〔アレンに会いたかったから♪〕



「ちょっと、アレンがびしょ濡れじゃないの。離れなさいよ!」

復活したレイは半分ヤケになりながら二人を引き剥がそうとする。

「んとに、びしょ濡れ…」

髪まで濡らしたアレンはそう呟くとテントの隅に避難した。

すかさずレイがタオルを渡す。

「ありがと」

そう言ってちょっと微笑んだアレンを見て、レイはもう死んでもいい、と思うくらい幸せだったとか。

〔むぅ~〕

何だかいい感じな二人を睨み、リップルは水の頬を膨らませた。

〔アレンはあたしといるの~!〕

水魔リップルは二人の間に割って入った。

「きゃ、何するのよ!」

〔離れなさいよぉ~!〕





「…イル、俺らはあっちのテント行っとこ」

「そうねぇ、おもしろいからちょっと見たかったけどぉ。」

ギルクとイルの二人は静かに去っていった。




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