レヴィオルストーリー
………っくしゅん!
三人(?)だけになったテントに響いた小さなくしゃみの音を聞き、喧嘩していたリップルとレイは音がした方向に目を向けた。
「…アレン、風邪ひいちゃうわ。大丈夫?」
レイが心配そうに聞いた。
「ん…大丈…、っくしゅん!」
答える途中にまたくしゃみをするアレン。
……かわいい…。
リップルとレイはこの時ほど共感したことはなかった。
「…俺、ちょっと着替える」
そう言ったアレンは鞄の中から着替えを取り出すと、いつのまにか雨が止んだ外に出ていった。
「………………。」
〔………………。〕
二人になった。
〔…貴女、アレンが好きなの?〕
横目でレイを見据えたリップルが、偉そうな態度で腕を組みながら口を開く。
「へっ、えっ!?」
唐突に質問されて焦ったレイは、リップル以外誰もいないか確認した上で、
「…そうよ」
と照れながら言う。
〔美少女…強敵…〕
何やらリップルは呟いている。
一方レイは自分が言ったことにまだ照れていた。
(恥ずかしい…、やだわ。)
赤くなった頬を隠すように、両手を添える。