レヴィオルストーリー
「え!?ああああアレン、今何て…」
滅多にない慌てっぷりで、真っ赤になって聞くレイ。
「え?…あ」
アレンはハッとして口元を片手で押さえた。
(何言ってんだ、俺!)
何気なく言った自分の言葉に驚くアレン。
「な、何でもない」
下を見ながら小さく呟いた。
レイはアレンの微かに赤く染まった頬を見て嬉しくなる。
「…ふふ♪」
「…んだよ。浮き輪、膨らませてやるから、貸して」
レイを軽く睨みながら、アレンは手を出した。
レイは満面の笑みでアレンに浮き輪を差し出す。
「よろしくね、ありがとうアレン」
「…ん」
…何だ俺、やっぱなんかおかしい!
心臓おかしいぞ!病気か?
浮き輪を膨らませながら、鈍感アレンは心の中で考えていた。
「はい、レイ」
早々と浮き輪を膨らませ終わり、可愛い黄緑色のそれをレイに渡した。
「わぁ、はやいのね!ありがとう」
にこっと微笑んで言うレイ。
青色に少し緑を混ぜた色と白の太めのボーダーのビキニが似合っている。
レイは立ち上がるとズボンのような水着の下をパタパタはたいて浮き輪を持った。
「アレンは?行かないの?」
「え?」
「泳がないの、って聞いてるのよ」
アレンは周りに視線を映す。
レイだけで行かせたら、変な男が寄ってきそうだ。
レイを見る男を見てると、何だかイライラしてきた。
「…行く、レイと」
そう言ったアレンは立ち上がり、レイの浮き輪を引ったくってプールに向かう。
「あ、待って、アレン!」
『レイと』の言葉で内心喜んでいたレイは急いでアレンの後ろについて行った。