レヴィオルストーリー
「……カッコ悪いなお前」
ギルクの不様な様子を見て呆れた口調のアレンは湯船に浸かる。
「あっそんな酷いこと言うなよぉ!!ていうか背中洗って!お願いですっ」
「あぁ100年後な」
「えぇええ?!それ生きてんの?!」
「いや、そこなのかよ」
結局ギルクは悲鳴をあげながら荒々しく背中を洗ってもらったとか。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「あら」
部屋に戻ったレイとイルは扉を開けた途端首を傾げた。
「ギルク、どうしたの?」
ベッドにうつ伏せに倒れるギルクは虫の息。
「…アレンが…あいつ…。」
ギルクは掠れる声で言いながらもイルをチラ見する。
愛する彼女はまだ怒っているようだ。
「…イルぅ~、いい加減許してくれよぉ~」
涙をどばっと流しながら言う姿はあまりにも滑稽だった。
「…アレンはどこなの?」
それを無視してレイはごく普通に聞いた。
「…知らねぇ外に出てった」
「また?最近多いわね。ちょっと見てくるわ」
「えっ?!レイ…」
二人にしないで!というギルクの願いはまたしても無視された。
「……………。」
そっぽを向いているイル。
「イル…ごめん…俺はお前だけだからぁ…」
「…デレデレしてたくせにぃ」
「あれは俺もモテるんだって思ってぇ…。イルもこれで俺と付き合ってても恥ずかしくねぇなぁって………」
「デレデレしてないギルクの方がよかったぁ」
「…ごめん!まじゴメンナサイ!許してくれよぉ!!何でもするから!!!!」
キラ────ン!!
「言ったわね?」
「えっ?」
「ほんっと~に何でもするのねッ?」
「はっ…………」
嵌められた。
気付いたが、時はすでに遅し。
不敵に微笑むイルが恐ろしいものに見えた瞬間だった。