レヴィオルストーリー

「そういえば、ギルク達二人なのか?」

宿に帰ろうと剣を鞘に納めながら何となくレイに聞く。

「えぇ、わざとそうしてきたのよ。」

ふふっと可愛らしく微笑むレイ。

「…あ、そう。」

「何よ、聞いたくせに」

興味なさげに言うアレンに、レイはムッとしてみせた。

「ごめんごめん」

レイの顔を見て少し笑う。



そうして話していると、不意に何かの気配がした。



「…?」

「どうしたの?」

アレンと同時に振り向くと、何かが見えた。


変なドロッとした大きな球体が、目の前に迫っている。

大人一人包み込める大きさのそれは、物凄いスピードで二人に接近していた。



「「え?!」」



慌てて走り、逃げる。


「は、速すぎ!これ、追い付かれるわよ!!」

レイが全速力で駆けながら自分に合わせて走ってくれているアレンに叫ぶ。

「…レイ、悪い」

一言言って、急にレイを抱えてスピードをあげた。

「ひゃあっ…!?」

小さく悲鳴をあげたレイはアレンの体を通り越して先にあるものを見て目を見開いた。

「どうした?」

「…無理よ、アレン!もう飲み込まれるわ!!」

「えっ?!」

慌てて振り向いたアレンは驚く。

「なっ…」

全速力で走ったのに、もう飲み込まれそうになっていた。


「…何なんだようっとぉしいな!!」

イライラとそう叫んだアレンはレイを抱えたまま剣を抜いて球体を斬った。



< 240 / 394 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop