レヴィオルストーリー
『あのね、私がせーのって言うから。そしたら、思いっきり球体を攻撃して!』
「…うん、思いっきりだな。ちょっと待って」
そう言ったアレンはまた剣を横に構え、手を添える。
また剣が震え、今度は宝石が青色になった。
(…レイの精霊士の力に合わせたけど…いけるかな)
剣をじっと見つめる。
少し疲労が酷くなった。
(…早く終わらせよう)
「レイ、いいよ。準備できた。」
『準備?…まぁいいわ、それじゃあいくわよ!』
レイの言葉に、壁に一定の距離をとって剣を構え直す。
『せー…のっ!』
剣を思いっきり振り下ろした。
壁に物凄い力がぶつかる。
外からもかなり強い力がぶつかるのを感じ、アレンは魔力をまた注ぎ込んだ。
ピシッ、という音と共に球体にヒビが入る。
(いける!)
そう確信した瞬間、あることに気が付いた。
『アレン、防御して!』
レイも気が付いたらしい。
悲鳴に近い声を上げた。
咄嗟に姿勢を低くして結界を張り、さらに剣で防御の体勢をとる。
アレンがそうした瞬間、球体はパリーン…と勢いよく割れた。