レヴィオルストーリー
29.海賊の王
「…だから、ビーンが襲ってきたの!それだけ!疲れてたの!」
真っ赤になったレイの叫びが辺りに響く。
「何回聞くのよ!もう3日も経ったでしょ!」
レイはプンプン怒ってそっぽを向いた。
「あ~んレイ、ごめんってばぁ~」
イルは慌てて謝る。
「なぁ~アレン、本当は何があったんだ?」
ギルクは3日前から毎日続ける質問をまたした。
「…いい加減殺すぞ」
「すいやせん。ふぉんっと、すいやせん。」
アレンは引っ張っていたギルクの頬を離した。
「いてぇ~…ヒリヒリする…」
ギルクは頬を涙目になりながら押さえる。
「次聞いたらそれじゃすまねぇからな」
「だって気になるじゃんよ~」
「レイが言った通りだから。」
シラッと答えたアレン。
「球体が来てアレンが飲み込まれて実はビーンの仕業でレイがビーンを倒したってやつ?」
「そう。」
こくり、とアレンは頷いた。
「そのあとは?」
「仲間の印が光って、球体を二人で壊した」
「そのあとは?」
「外に出て、………宿に帰った」
「今の間は何だ!」
すかさずギルクが噛みつく。
「うるせぇな!何でもないっつってるだろ!川に沈められてぇのかお前は!!」
「ふふ~ん、しばらく川はねぇよ!さっき通ったファース川からは村まで川はねぇ!」
「そんくらい知ってる」
剣を抜いたアレンは不気味に笑いながら言った。
「……………。」
ギルクは黙り込む。