レヴィオルストーリー
「…あッ!!」
イルを首にぶら下げたまま、ギルクがハッと叫ぶ。
「…何?」
「他の冒険者だ!!」
三人はバッとギルクの見る方向を見た。
確かに、いる。前方に。
五人の大人の男女だ。
「どうする?」
冒険者同士が会うと、たまに戦いが生じる。
ギルクは何故かそれを望んでいるらしく、目を輝かせてアレンを見た。
「…めんどいから無視」
やっぱりな答えにギルクはがっくりと肩を落とした。
「あら?」
レイが前方を凝視しながら首を傾げる。
「なぁに?レイ」
「あの人、こっちを指差してるわ」
レイは五人の中の先頭に立つ黒髪の男を示した。
だんだん近づいてくる。
「…まぁ戦う気はないみたいだし、ほっとけ」
さらっと流すアレンは興味なさげに普通に歩く。
ある程度近づいたところで。
「…おい、お前アレンか?!」
先頭の黒髪の男が、大声で聞いてきた。