レヴィオルストーリー
「は?」
思わずすっとんきょうな声を出すアレン。
男は近づいてアレンの肩を掴んだ。
「アレンだよな?なぁ?」
「…はぁ!?誰だよお前!」
ガクガク揺さぶられながら一生懸命離れようとするアレン。
「ルティ!」
男の仲間の一人の女が男を止めた。
「あんた、やめなさいよ」
「あ、あぁごめん」
アレンは開放された。
「…アレン大丈夫?」
レイが訳が分からないといった顔でとりあえずアレンに言った。
「だ…大丈夫」
アレンはジッと男を見た。
黒い髪に藍色の目。
逞しい感じがして格好いい、40台の大人だ。
「…何で俺のこと知ってんの…?」
「アレン、ついに名が知れるほど悪人に…」
「盗賊からモノ盗るんだもんな、仕方ないさぁ」
「…黙れ」
剣に手をやるアレンを見てギルクとイルは大人しくなった。
「知ってるも何も…よく聞いてたから。生きてたんだなぁ~」
ルティと呼ばれた男はアレンの肩に手をやり、自分に引き寄せた。
「はぁ!?誰から…離せ…っ」
抵抗するアレンをまた引き寄せる。
「母さんと同じ碧の瞳に、父さんと同じ髪の色…。」
アレンの抵抗が止まった。
「ナティアが亡くなったってルナスに聞いたときは本当に悔しかった。お前のことは言ってなかったから、てっきり死んだのかと…。」
男はアレンの髪を撫でた。
「よかったよ、本当に」