レヴィオルストーリー
「その子は迷子になっていて、泣きながら親を探していた。
ウィスカはその子を保護して、両親を一緒に探したんだ。」
「…それって」
アレンがレイを見た。
「…私だわ」
レイの言葉にルティが目を見開いた。
「レイちゃんなのか?
…凄い奇遇だな。
ウィスカはな、レイちゃんがが両親に会って大喜びするのを見て、ずっと写真でしか見てこなかった、息子に会いたいと強く思ったらしい。」
ルティはレイに微笑みかけた。
自分がそんなきっかけを作ったことに驚くレイは、彼に微笑みを返してからそっとアレンを見た。
アレンは無表情にルティを見つめている。
「そして、アイツは位を降りることを決めたんだ。」
少しルティの顔が悲しげに歪んだ。
ルティのあの青い髪の仲間も急にどばっと涙の量を増やす。
「…そして、周りの反対を押しきって、あいつは自分の故郷でもあるカルアシティに帰ろうとした。
でも、無理だったんだ。」
「…どうして?」
ルティの様子から何となく嫌な予感がしたレイは泣きそうになりながら聞いた。
「…最強の42代目ウィスカが位を降りるのを待っていたものがいた。
…魔王、だ」
無表情だったアレンは心臓をわしづかみにされたような気分になった。