レヴィオルストーリー
今までで一番長い沈黙が続いた。
そして、再びルティが口を開く。
「…俺が、駆け付けてからは遅かったんだ…。
あいつの遺体すらなかった。
魔王が笑いながら、『殺したさ』って…。
仇を討とうと戦ったけど、無駄だった。
俺は死にかけのところを仲間に助けられて生き延びた。
だけどウィスカは………。
すぐにナティアが見舞いに来てくれて、俺の知ってることを全部告げた時、彼女は泣き崩れて…。
『ごめんなさい』って、謝ったんだ。
ウィスカに。
自分は何もできなかったって。
それは俺なのに…。」
ついに涙を流したルティは、アレンの顔を真っ直ぐ見つめた。
「ずっと謝りたかったんだ。アレンに。
…本当に、ごめん。
俺はお前の父さんに何一つしてやれなかった。
お前は何も知らなかったのに、ナティアの死も全部背負ってたんだな…。」
アレンはルティを見つめ返した。
…顔も知らない父の、親友だった人。
「…もういいよ」
アレンが言った。
「…ルティさんは死にそうになるくらい頑張ったんだ。何も悪くないから、謝らなくていい。
…父さんも母さんも、みんな頑張ったんだ。
…全部、わかったから。」
アレンはルティに向かって微笑んだ。
「…アレン…お前は強いなぁ」
ルティは涙を拭いてから言うと、同じようにアレンに笑いかけた。
二人の様子をみんなが静かに見つめる中、レイだけが鋭い視線をアレンに投げかけていた。