レヴィオルストーリー
アレンを見つけて駆け寄ろうとしたレイ達三人は、振り向いた彼の目を見てその場に凍りついた。
見たものを恐怖で震えさせる、今まで見たことのないアレンの目。
それはアレンがルナスを睨んだときより、操られたときよりも、恐ろしいものだった。
「…アレン?」
レイがおずおずと声をかける。
するとアレンの瞳が、フッと元の優しい澄んだ瞳に戻った。
「…何?泣いてると思った?大丈夫だよ」
少し笑いながら言うアレン。
「…何だよぉ~、心配したじゃねぇか!」
すかさずギルクがその場を取り繕うように、明るい声でアレンに近寄る。
「ほんっとにアレンったらぁ」
イルもほっとしてそれについて行く。
「…ごめん」
微笑みながら言うアレン。
「ほら、宿に戻ってもう寝よ?」
「…うん」
帰り際、アレンが少し北の方角に目を向けたのに、三人は気付いていなかった。
アレンの「ごめん」に別の意味が含まれていることも………。