レヴィオルストーリー
「…何か用ですか」
アレンはまた無表情に言う。
「ウィスカと違って素っ気ないのね~。貴方達を歓迎しようと思ったの。ね、みんな。」
ヴァンヌは住民達を見た。
大勢の人達は一斉に頷く。
「ここに来てるので全員なんですか?」
「えぇ、そうよ。」
レイの質問にヴァンヌは優しく答えた。
「半数は11年前魔王に殺された」
デスティンが口を開いた。
「…魔王ってそんなことしてたんだなぁ」
ギルクが呟く。
と同時にお腹が鳴った。
「あ、朝ごはんの邪魔しちゃった!ごめんなさいね」
とりあえず村の住民達は一旦引いた。
「…何だったんだ」
アレンが不機嫌に言う。
寝起きのせいでいつも以上に無愛想だ。
「あいつらは神の予言を知ってるからな、アレンが来て嬉しいんだろう」
朝ごはんのデザートにプリンをつつきながらルティが言った。
「…ルティさんも知ってるんだぁ」
イルがプリンを凝視しながら言う。
「あぁ。この村では常識みたいだ。まぁ、魔王に街を乗っ取られた奴等だし敏感なんだな」
ふて腐れて食パンにかじりつくアレンを見ていたルティはイルにプリンを掠め取られた。
「あぁっ!イルちゃん、何てことを!!」
「大人気ないわよ、ルティ!」
茶髪の巻き毛の女性がルティの手を叩いた。
「だってよメイ、俺のプリンちゃんが…」
「ガキかよ」
ツンツン頭の紫の髪の男性がツッコミを入れた。
「うるさいな、ヨシキ」
「イルちゃん、おいしい?」
黒髪の和風美人な微笑みながら聞いた。
「はい♪」
「あぁ~、サクラ、甘やかすなぁ」
「ルティ男らしくないよ」
青い髪の男性が笑いながら言う。
「何だよチェイ、すぐ泣くお前の方が男らしくない!!」