レヴィオルストーリー
32.襲撃
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「ギルク!アレンは!?」
一人帰ってきたギルクを見たレイとイルは、驚いて彼を見た。
あの元気なギルクが、俯いて唇を噛み締めて黙っている。
「…アレンは…一人で村を出た」
レイとイルは愕然として目の前の青年を見つめた。
「昨日、止めようって言ったじゃない…」
昨夜、アレンが密かに荷物をまとめているのを見て、三人はこっそりと話し合いをしてそう決めたのだ。
アレンのあの目や態度で、彼がどんな気持ちなのかがわかるから。
だから、一人で暴走しだしたら力ずくでも止めようと言った。
「…止めたさ。でもアレンは…」
そこでギルクは悔しそうに顔を歪めた。
「…俺らとは別れようと思ってたって。仲間だなんて思ったことはないって…」
酷く傷ついた様子のギルクを見て、それが本当のことだと嫌でもわかる。
「…あんなに楽しかったのに?嘘だよぉ…」
イルは泣きそうになりながら呟いた。
「絶対、嘘。嘘嘘嘘嘘ッ!あたし、やだよ。確かめに行くぅッ」
宿を飛び出そうとしたイル。
だが、ドアのところで誰かにぶつかった。
「あっ…」
「ん?どうした?泣きそうな顔して」
ルティだ。
三人の様子を見て、ルティは眉を潜めた。
「…アレンは?」
黙り込む三人を見回したルティはため息をついた。
「…やっぱり、話すべきじゃなかったか…。」