レヴィオルストーリー

 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

山をひたすら登っていたアレンは、思わず耳を覆いたくなるような物凄い轟音に足を止めた。


「…何だ」


振り返り、少し下に位置する村を見下ろした。


黒煙が上がって、一部が燃えている。

「…火事?」

そう思ってまた足を進めようとしたが。


村の中心の上空に、浮いている人影を見つけた。


「何だあれ」


ジッと凝視する。

するとそれは手から炎を作り出し、村へと放った。


「!!」


驚いてそれを見つめる。

…赤い目が光に反射して見えた。

アレンがその人影に見入っていると、村に大きな結界が張られた。


(…レイかイル…ではなさそうだな)


そわそわして村を見つめた。



─────大丈夫かな。



戻りたい。

でも、それでは離れた意味がなくなる。



(…とりあえず三人には会わないようにして…、バレないように戻ろうかな…)



あの赤い目を見ると、何とも言えないムカムカした感情が沸き上がってくる。

それと同時に三人を想う気持ちも沸き上がり、何だか変な気分だ。



アレンは来た道を猛スピードで戻り始めた。




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