レヴィオルストーリー


楽しそうに笑うロリンは、次は赤く変色した蔓を出した。


「えっ!?何あの色?」


三人は慌てて後退し、距離をとる。

「ロリン、私は剣士のところへ行くぞ」

黒髪の少女に目だけを向けたモリティーはそう言って歩みだそうとした。


それをロリンがへらへら笑いながら止めた。


「ご心配なく~。あたしの友達ちゃんがもう行ってるよぉ」


「「「「!?」」」」


三人とモリティーは目を見開いてロリンを見る。


「ふふふっ♪」


不気味に無邪気に笑った少女は、三人を攻撃しはじめた。



 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


山を降りて村の手前まで戻っていたアレンは、何かを感じて足を止めた。


「…誰だ、出てこい」


すぐに木陰から何かが出てきた。


黒い肌と暗い茶色い髪、細い真っ赤な目をした青年だった。



「お前が予言の剣士か。ムカつく程いい顔してら」


口を開いた青年はそう言ってにたりと笑い、アレンを見下ろす。

黙ったままのアレンに青年はまた語りかける。


「俺は魔王様の幹部、スターナ。戦士だ。俺と戦え」


スターナのその言葉を聞き、アレンは一度目を閉じて深く息を吐くと、真っ直ぐに彼を見た。



───あの冷たい瞳で。



「…魔王の…配下」


碧の瞳に更に憎しみがこもった。


「…殺してやるよ」



スターナの背筋にぞくりと悪感が走る。

それを感じて、青年は笑った。


──いい目してやがる。
 あれは強いな──




そして二人は激突する。





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