レヴィオルストーリー
「仲間が吹っ飛ばされたのに心配しないの?」
レイが理解できないというような表情でロリンを眺める。
「心配?するわけないじゃあん。吹っ飛ばされたのが悪いんじゃない~?」
にこにこ笑いながら答えた彼女は蔓を自分の周りに蠢かせて標的を定める。
「一人になったしそろそろあたしも本気になるよぉ」
そのとき、村の北の外れでドカァンと凄い音がした。
「何?」
イルがギルクの腕を引っ張りながら見た。
これにはロリンも気をとられて北の方向を向く。
「家が…丸々一個壊されてるぞ…」
ギルクの呟き。
「剣士とスターナに決着がついたみたいね~」
ロリンの言葉に三人はハッとしてすぐに正面に目を戻す。
蔓が襲いかかってきた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
────ドカァン!
アレンの放った斬撃が空中を突き進み、後ろにあった家ごとスターナを吹っ飛ばした。
「はぁ…、はぁ…。」
大きな傷からドクドク流れる血。
それを止めようともせずにアレンは一点を食い入るように見つめる。
「…勝った?」
家の瓦礫に埋まったままスターナは動かない。
そっと近づき、上から見下ろした。
息はまだ辛うじてしている。
が、頸動脈から血が溢れだしている。
「…お前の勝ち」
目を開いたスターナは微かに笑いながら言った。
「俺は弱いな」
「俺に負けたしな」
アレンの言葉にスターナは目を伏せる。
「…それだけ重症負わせたことでも誇りに思うさ」
負けた相手を見上げて、その怪我を一つ一つ見る。
「…趣味わりぃ」
視線が追うものを悟ったアレンはそう言ってしゃがんだ。