レヴィオルストーリー
そのときレイは、ふわっと身体が浮くのを感じた。
不思議に思っていると、ザシュッと音が響く。
────蔓に斬られた?
でも、身体はどこも痛くない。
すると、声がした。
「…レイ」
優しい、あの声が。
大好きな、あの人の声が。
「アレン…?」
閉じていた目を開ける。
目の前に、綺麗な碧の瞳があった。
「…大丈夫か?」
心配そうに覗き込む顔。
肩に感じる手のぬくもり。
レイはアレンにお姫様抱っこをされていた。
アレンはレイを抱き上げながらも右手に剣を握っている。
「アレンだぁ…」
異変を感じ取り恐る恐るレイのいたところを見たイルが呟く。
ギルクは目を丸くして立ち尽くしていた。
「…降ろすよ?」
「え、あ、うん。」
アレンはレイの足が痛まないようにそっと降ろした。
すぐにレイの前に立ちはだかり、ロリンを睨む。
レイはアレンの背中を見て絶句した。