レヴィオルストーリー
「すんごい怪我ねぇ。スターナも役たたずではなかったみたい。」
ロリンは嬉しそうにアレンの怪我を眺めた。
「まぁな。お前が魔王の配下で最も残酷で強い奴?」
「えぇ、そう言われてるわよぉ?それがどうかしたぁ?」
ロリンは今度はアレンの顔を見ながら言う。
「…魔王の配下は、殺す。それだけ。」
アレンの目が変わった。
明らかにレイを見ていた目とは違う。
「きたきたぁ♪」
楽しそうに蔓を躍らせるロリン。
アレンは走り出した。
──しかし、途中で止められた。
「…離せ」
アレンは腕を掴んだギルクを睨む。
ギルクはロリンに向けていた目よりも優しさが混じった瞳を睨み返す。
「お前…今、迷いなく殺すって言ったな」
「それがどうした」
いつもより低い二人の声。
レイに駆け寄ったイルは息を呑んで二人の様子を見つめた。
「魔王の配下だから、それは仕方ないとは思う。でもお前はそんな軽々と言う奴じゃない!何があったんだよ!!」
「黙れ、関係ないだろ!!」
「お前、クロムのときは辛かったんだろ?」
ギルクが真っ直ぐアレンを見つめた。
「…あの時は知らなかった。でもこいつらは人じゃない。それにギルク、お前はいちいち気にするなって言った。」
「あれは終わったことだからだ!人じゃなかったら何でもいいのかよ!!」
「魔王の配下だからだ。俺はアイツを許さない」
全く聞く様子のないアレンにギルクはイライラした。
「あれを倒す前に、何があったのか言え!何で一人で行ったんだよ!!何でそうなったんだ!」
「今はそんな場合じゃな…」
アレンの言葉が止まった。