レヴィオルストーリー


「もうそろそろい~い?我慢の限界~」


ロリンが黒髪を揺らし、後ろにまわっていた。


「アレン!!」

気付いたギルクが叫び、蔓がアレンを襲う前に突き飛ばす。


「なっ…」

アレンは横向きに地面に倒れ、痛みに顔をしかめた。




アレンを射抜けなかったその蔓は、彼の目の前でギルクの肩を突き刺した。





「「「ギルクー!!」」」





アレンとイルとレイの三人の悲鳴が辺りに木霊した。





ギルクが背中から地面へ倒れる。


「ギルク!」


アレンが飛び上がって駆け寄ろうとした。

アレンが来るのを見てロリンが妖しく笑う。


それを霞む視界で見たギルクは、


「アレン!来んな!」



と精一杯叫んだ。






───が、遅かった。





ロリンは素早く蔓を伸ばし、アレンをそれで捕らえた。




「!」

そのまま地面に仰向けに叩きつけられる。

ロリンが馬乗りになり、ゆるく結んだ黒髪がアレンの上で揺れた。

「…どけ!ギルク!」

アレンがロリンを退けようと暴れながらギルクを呼ぶと、イルとレイが動こうとした。

するとロリンの蔓が三本伸び、イルとレイとギルクの手前で先を尖らせピタリと止まる。



「暴れたら仲間殺すよぉ?」

にっこり微笑むロリンになす術もなく、アレンは諦めたように大人しくなる。


「剣士がこんなにあたしのタイプストライクとは思わなかったぁ♪」

微笑むロリンはアレンを見下ろし…


「…ここまで完璧だと壊したくなっちゃうね♪」



と、満面の笑みで言った。




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