レヴィオルストーリー
真っ白な光と水色の光。
それがロリンに向かって一直線に飛んできた。
「え?」
今度はアレンに蔓ではなく手を伸ばしていたロリンは、夢中になりすぎて直前まで気が付かなかった。
光が合わさり、ロリンに直撃する。
「!…ぎゃあぁあ!」
バッと逃げるロリン。
アレンは痛みと蔓とロリンが同時に自分から離れるのを感じて目を開いた。
「…なにこれ…?」
縺れる舌でなんとか言葉を発して、仰向けに倒れたまま光が来た方向を見た。
そこには真っ白な光を発したイルとレイと、仲間の印を水色に光らせたギルクがいた。
全員憤怒の形相でロリンの動きを追っている。
「いい加減にしろお前!」
「調子のってんじゃないわよッ!」
「性格悪すぎなのよ!」
三人とも思い思いに怒鳴りながらロリンに近づいた。
「ま、魔王様!あの光は何?こんなに怖いのはじめて見たぁっ」
驚愕の表情で三人を見ていたロリン。
三人が攻撃を仕掛けようとした瞬間、慌ててテレポートで逃げ出した。
しばらく光は残り、辺りを満たす。
(あの時の…母さんの魔力の光みたいだ…。)
あの時。
魔王がアレンを殺そうとした時。
母が自分を庇って亡くなった時…。
ぼんやりとそんなことを考えていると、誰かがゆっくりと身体を起こしてくれた。