レヴィオルストーリー
「あ…あの…ヴァンヌさん、治してくれてありがとうございます」
うるさいのを無視して、アレンが言った。
「いいのよ~♪でも凄い酷い怪我だったわね。大丈夫だったの?」
ヴァンヌはそう言うとルティをばしっと叩いて黙らせた。
「大丈…」
「大丈夫じゃないわよ、本当に怖かったんだから」
アレンの言葉を遮り、レイが言う。
「レイったら、ここに来たとき自分の怪我そっちのけでずっと泣いてたのよ」
「ヴァンヌさん!」
真っ赤っかになったレイを見て、アレンはりんごみたいだと思った。
「…でもどうやってここに?」
真っ赤なりんごにアレンが聞く。
「ルティと仲間の三人がすぐに来てくれたのよ。」
少しずつ落ち着きながら、レイはそう言って椅子に座った。
「あの状態だとイル以外誰もまともに動けなくて。一番ましだったイルも、小さい怪我いっぱいしててふらふらだったし」
「そこで俺が来たんだな~」
得意気に言うルティが話を引き継いだ。
「ギルクは肩に何かが貫通したみたいな大怪我してるし、レイも足に深手負ってたし、何よりアレン、お前が気を失って蒼白になってギルクの腕に抱えられてたから、本当にビックリしたぞ!」
またアレンの背中を叩こうとしたルティはレイに睨まれて慌ててやめた。
「…ギルクとイルは?」
自分の包帯を眺めたアレンは二人の姿が見当たらない為、聞いてみた。
「今、二人とも下で俺の仲間を手伝ってくれてる。料理してんだ。」
にこにこして言うルティとは正反対に、アレンは真っ青になった。
「レイ、止めろよ!」
「無理よ、やる気満々だったんだもの。だから、自分が作ったのは自分で食べてもらおうと思って。」