レヴィオルストーリー
レイが不敵に微笑んだとき、またノックの音がする。
今度は返事を聞かずに入ってきた。
「あ!アァアアァアアレン!!」
イルが起きたアレンを見てすぐさま小動物のように飛び付いた。
「いっ…」
勢いよく抱きつかれ、痛みに顔をしかめるアレン。
「アレンー!大丈夫かぁ!?」
一緒に入ってきたギルクがなおも抱きつこうとするのを、レイが慌てて止めた。
「ちょっと!全くみんなして…。痛みはまだ残ってるのよ」
レイが怒りながら言う。
「いでぇ!レイ、お前、肩掴むな!!人のこと言えんのか!?」
「あっ!ごめんなさい」
ギルクの肩から、レイはパッと手を離した。
「ふいー、やっぱまだ痛ぇな」
解放されたギルクはアレンと目が合い、にかっと笑った。
「起きてよかった!」
その言葉に、罪悪感に似た感情がアレンの心に生まれる。
「ギルク、ごめん。俺、どうかしてた…。」
「あぁ、そうだな~」
笑いながら言うギルクに、アレンは少しほっとした。
怒ってないかと不安になっていた。
そんな不安も何年もの間忘れていた。
「…ギルク、本当にありがとな」
「おう!親友だから当たり前だぁ!!」
自分から肩を組んだくせにギルクは痛みに悲鳴をあげた。