レヴィオルストーリー


レイが不敵に微笑んだとき、またノックの音がする。

今度は返事を聞かずに入ってきた。


「あ!アァアアァアアレン!!」


イルが起きたアレンを見てすぐさま小動物のように飛び付いた。


「いっ…」

勢いよく抱きつかれ、痛みに顔をしかめるアレン。


「アレンー!大丈夫かぁ!?」

一緒に入ってきたギルクがなおも抱きつこうとするのを、レイが慌てて止めた。


「ちょっと!全くみんなして…。痛みはまだ残ってるのよ」

レイが怒りながら言う。

「いでぇ!レイ、お前、肩掴むな!!人のこと言えんのか!?」

「あっ!ごめんなさい」


ギルクの肩から、レイはパッと手を離した。



「ふいー、やっぱまだ痛ぇな」

解放されたギルクはアレンと目が合い、にかっと笑った。

「起きてよかった!」

その言葉に、罪悪感に似た感情がアレンの心に生まれる。

「ギルク、ごめん。俺、どうかしてた…。」

「あぁ、そうだな~」


笑いながら言うギルクに、アレンは少しほっとした。



怒ってないかと不安になっていた。

そんな不安も何年もの間忘れていた。



「…ギルク、本当にありがとな」

「おう!親友だから当たり前だぁ!!」


自分から肩を組んだくせにギルクは痛みに悲鳴をあげた。









< 299 / 394 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop