レヴィオルストーリー

35.想い


 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「ありがとうございました」


出発の日。
村の宿の前に、大勢の人影。


「いいのよ、また来てねぇ♪」

「いつでも来い」

ヴァンヌとデスティンが代表して四人に挨拶をした。


「絶対また会いに行くからなぁああ!!」

大声でそう言ったルティはアレンに抱きつく。

「うわ、ルティ」

勢いよく来られたアレンはよろけて慌てて体勢を戻す。

もうレイの恐ろしい目はない。


「ルティったら子供じゃないんだから~」

みんなに笑いがまきおこる。



四人は穏やかな気持ちで村を出た。


北にある連なる二つの山の手前の方、アウン山に足を踏み入れる。


「山びこやりた~いッ!!ヤッホーッ!!」

イルがわくわくして叫んだが、まだ低い場所だったため、何も起きなかった。


「…馬鹿だろお前。山びこって山の頂上じゃないとならないんだろ?」

「それもちょっと違うけど…。」


アレンの間違いを、レイは優しく指摘した。


「アレンが馬鹿だな!」

「人のこと言えないじゃあ~ん☆」

「…うっさいな」

若干拗ねたアレンはそっぽを向いて足を速めた。

レイもそれに従う。


「あぁっ、待ってぇ」


いつものパターンでイルとギルクが後ろから二人を追いかけた。




< 302 / 394 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop