レヴィオルストーリー
35.想い
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「ありがとうございました」
出発の日。
村の宿の前に、大勢の人影。
「いいのよ、また来てねぇ♪」
「いつでも来い」
ヴァンヌとデスティンが代表して四人に挨拶をした。
「絶対また会いに行くからなぁああ!!」
大声でそう言ったルティはアレンに抱きつく。
「うわ、ルティ」
勢いよく来られたアレンはよろけて慌てて体勢を戻す。
もうレイの恐ろしい目はない。
「ルティったら子供じゃないんだから~」
みんなに笑いがまきおこる。
四人は穏やかな気持ちで村を出た。
北にある連なる二つの山の手前の方、アウン山に足を踏み入れる。
「山びこやりた~いッ!!ヤッホーッ!!」
イルがわくわくして叫んだが、まだ低い場所だったため、何も起きなかった。
「…馬鹿だろお前。山びこって山の頂上じゃないとならないんだろ?」
「それもちょっと違うけど…。」
アレンの間違いを、レイは優しく指摘した。
「アレンが馬鹿だな!」
「人のこと言えないじゃあ~ん☆」
「…うっさいな」
若干拗ねたアレンはそっぽを向いて足を速めた。
レイもそれに従う。
「あぁっ、待ってぇ」
いつものパターンでイルとギルクが後ろから二人を追いかけた。