レヴィオルストーリー
「レイ!」
レイの足元の地面が崩れた。
落ちそうになる彼女の手を、ギリギリのところで掴む。
レイの体はぶら下がる状態になった。
「あ、ありがとうアレン。」
ほっと息をついたレイは直ぐ様精霊を呼ぼうとする。
「?」
「…レイ?」
何も起こらない。
もう一度試したが無理だった。
「イル!」
気付いたギルクが自分の背中にしがみつくイルに声をかけた。
「やってるわよっ!でも、魔法が使えないの!」
困った顔に恐怖の顔を混ぜた変な顔のイルはびくびくしながら今にも落ちそうなレイに手を向ける。
本当に魔法が使えないらしい。
「どっかから力をかけられてんのか…。レイ、もう自力で引き上げるぞ」
「…えぇ」
ギルクも手伝おうとイルを下ろして駆け付けようとした。
が、その時、今度はレイを引っ張っていたアレンの下の地面が崩れた。
「!?」
気付いた時には、まっ逆さまに落ちていた。
「アレン!レイ!」
ギルクの叫びが、やまびことなり木霊した。