レヴィオルストーリー
「足…?」
レイの足を見るが、ブーツを履いていて何もわからない。
「痛い?」
「立ったら…。」
「…精霊、まだ呼べない?」
レイは試してみたが、無駄だった。
「…見せて」
短く言ったアレンは、レイのブーツを優しく脱がせた。
赤く腫れた足が視界に入る。
「…ごめんなさい、庇ってくれたのにこんな厄介な怪我しちゃって…。」
黙り込んだアレンにレイは半分泣きそうになりながらまた謝る。
すると、アレンは立ち上がってレイを残してどこかに行った。
「え?アレン?」
…まさか。
見捨てられた…?
(…そうよね、私ったら迷惑ばっかりかけて…)
涙目のレイはため息をついてうつ向いた。
「…そんなに痛いのか?」
「えっ?」
急に声がして見上げると、アレンがいた。
いつのまにか戻ってきたらしい。
「あっちから水の音聞こえたから、行ってみたんだ。そしたらちっさいけど泉があった。ほら」
要点だけ伝えたアレンは濡らしたタオルをレイに渡した。
冷やせ、ということらしい。
「ありがとう…」
感激したレイはうるうるしながらアレンを見上げる。
それがアレンの鼓動を早ませているのにも気付かずに。
(やば…心臓壊れる)
また正体不明の動悸に襲われた鈍感アレンはタオルを足に当てたレイをしばらく見ないようにした。