レヴィオルストーリー

 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

その少し前、アレンが泉からレイのもとに帰ってきたとき。

オウン山では悲鳴が響き渡っていた。



「ごめんごめんごめんごめん!よそ見してた!すみません!!」

「コニス、もうその台詞は聞きあきました。何度言ったらわかるのですか?さっきだって泉から帰れなくすれば引き離せたのに、まさかよそ見しているなんて。」

悲鳴はコニスのものだった。

どうやらシリティーに怒られて痛い目を見たらしい。


「だって、シリティーが気になって…」

「私のせいですか。貴方が変態なだけでしょう?私がここの溜め池で水浴びすると言った瞬間目を輝かせて。覗きが趣味なんてどうかしてますよ。」

「シリティーちゃん可愛いからさ。」

「気をそらさせようとしても無駄です。」

「いたたたたたたた!あたっ!やめろ!」

「やめてほしいのなら集中して下さい。」


シリティーの細い綺麗な指がスクリーンのような影を指差した。

そこに映る二人はなにやら話し込んでいる。


「あっ、この女の子おんぶされてる。シリティー、お前もしてやるよ」

「集中しなさいと言ったでしょう」


コニスは渋々スクリーンに向き直った。


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