レヴィオルストーリー
コニスとシリティーの二人は高い響く声に振り返る。
そこにはオレンジの髪とくりっとした茶色い目の可愛らしい女の子と、赤毛の短髪に黒い目の青年がいた。
「おいおいシリティーちゃん。気付いてよ」
「貴方が時間をかけるから、これに集中しなきゃ維持できなくなったんです」
シリティーはまたスクリーンを指差す。
「俺のせいかよー」
「はい」
「聞いてんのー!!せっかく人がかっこよく登場したのにぃっ」
女の子、イルはわめきだした。
「ここまで来るの大変だったんだからぁ!もう疲れた!」
「お前は俺にしがみついてただけだろ!?」
ゼェハァゼェハァと大袈裟に荒い息をつくギルクは怒ったように叫ぶ。
アウン山の頂上付近からオウン山の中腹まで、一気に突っ走ったようだ。
「ギルクは体力馬鹿だからい~のっ」
「なぬ?!」
軽くショックを受けたギルクは地に伏せた。
「貴女、今は魔力使えないのですよ。それなのに向かって来るとはあほですか。」
「何なに?聞こえな~い」
笑いながらシリティーがかちんとくるような台詞を吐いたイルは手を突き出し、そこに炎を生んだ。
「!?」
「あたしの方が、一枚上手ってわけ。その人、アレン達にばっか気が向いてあたしにかける魔法薄れててさ。おかげで助かった♪」
「おいイル!お前魔法できんのかよ!なら何でわざわざ走ったんだ!」
「トレーニングよ、トレーニング☆」
怒るギルクをなだめ、イルは炎を大きくした。
「二人を解放してもらえないかな~」