レヴィオルストーリー
樹を背にして二人で寄りかかっていると、少し肌寒かったのがだんだん暖まってくる。
心地よさを感じて、レイもアレンの方に頭を傾けた。
「…ねぇ、アレン。もし私が、貴方に…」
貴方に、想いを伝えたら。
「…………。」
言いかけてレイは口を閉じた。
(まだ。今は、駄目。)
それでも、いつか…。
「ラブラブだね、お二人さん」
急に聞こえた男の声に、レイはハッと顔をあげた。
弾みでレイにもたれたアレンがずるっと滑り落ちる。
「あっ」
慌てて地面にぶつかる前に抱き止めた。
そんなことがあったのに、アレンは起きない。
「…?アレン…??」
「剣士には魔術をかけましたねー。あ、俺はコニス。よろしくっ」
そう言った金髪の軽そうな少年は手をあげて挨拶する。
「貴方、どこから…」
「ん?邪魔が来たからさっさと終わらせろって、愛しのシリティーちゃんに送ってもらったんだ」
コニスは自分の背後を指差した。
微かに残る、移動魔法の力。
「一人ずつ、消していこうと思ってね。まずは精霊士さんからいかせてもらうよ」
レイはコニスを睨んでアレンをそっと寝かすと立ち上がった。
「今、力使えないだろ?抵抗しなかったら苦しまないように消してあげるけど?」
「消すって言われて抵抗しないわけないでしょう。」
「…ふ~ん。じゃ、シリティーちゃんの為に頑張っちゃおうかな」
そう言ったコニスは駆け出し、レイのいる樹の側に向かって来た。