レヴィオルストーリー
コニスはまずレイに突きを繰り出した。
ひら、と避けてその場を離れる。
(アレンから離れなきゃ)
巻き込んだりしたら、大変だ。
「何だ意外と素早いね」
次々と攻撃をかわすレイに感心するコニス。
今度は蹴りを繰り出した。
(…?)
レイはふと疑問を感じた。
相手からは強い魔力を感じる。
それなのに、レイに攻撃するのは体術だけだ。
(おかしい。)
レイは一度立ち止まった。
「ん、どうした精霊士。諦めた?」
首を傾げ、コニスも止まる。
「…魔力、使わないの?」
冷静に、静かに、落ち着いた声でレイは聞く。
「…使ってほしいかい」
悪戯に微笑んだコニスはそれだけ答える。
「いいえ。おかしいと思っただけよ。使えないんでしょう」
「バレたかー」
か、軽すぎる…。
思わずずっこけそうになったレイは辛うじてそれに耐えた。
「いやー精霊士さんには魔力封じをかけてるからさ。今君に魔法したら解けちゃうんだよね。剣士にかけてる魔術も結構魔力使うしぃ」
髪を弄りながら笑うコニスにレイは脱力した。
(何だ、そんなのなの。強い魔力だと思ったけど…間違いだったのかしら。)
「油断したね」