レヴィオルストーリー


コニスはまずレイに突きを繰り出した。


ひら、と避けてその場を離れる。


(アレンから離れなきゃ)


巻き込んだりしたら、大変だ。



「何だ意外と素早いね」

次々と攻撃をかわすレイに感心するコニス。

今度は蹴りを繰り出した。


(…?)


レイはふと疑問を感じた。


相手からは強い魔力を感じる。

それなのに、レイに攻撃するのは体術だけだ。



(おかしい。)


レイは一度立ち止まった。



「ん、どうした精霊士。諦めた?」

首を傾げ、コニスも止まる。



「…魔力、使わないの?」

冷静に、静かに、落ち着いた声でレイは聞く。


「…使ってほしいかい」

悪戯に微笑んだコニスはそれだけ答える。


「いいえ。おかしいと思っただけよ。使えないんでしょう」

「バレたかー」


か、軽すぎる…。


思わずずっこけそうになったレイは辛うじてそれに耐えた。



「いやー精霊士さんには魔力封じをかけてるからさ。今君に魔法したら解けちゃうんだよね。剣士にかけてる魔術も結構魔力使うしぃ」


髪を弄りながら笑うコニスにレイは脱力した。


(何だ、そんなのなの。強い魔力だと思ったけど…間違いだったのかしら。)


「油断したね」



< 318 / 394 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop