レヴィオルストーリー


「え?」


得意そうなその言葉に驚いた瞬間、目の前に金髪が揺れた。

慌てて避けようとすると。


急に、足が重く痛んだ。


「…っ?!」

「足、怪我してたよなぁ。魔法で痛みだけ消したらすっかり忘れちゃって。動く度に知らない内に悪化させたんだね~」

「う、嘘ついたのっ…」

「もちろん。魔法解いたから、痛いよね」


驚き、悔しさを噛みしめていると、肩を押されて地面に倒された。

急に恐怖が沸き上がる。


「やめて!!」

「命乞いはなし。まずは、精霊士。意地っ張りシリティーちゃんに褒めてもらおう♪」


魔法で型どられた刃物をコニスが握った。

にっこり微笑むと、金髪の少年は赤い目を光らせながらそれを大きく振るった───。







 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「あ!!」

イルとギルクが、ある一点を見つめて悔しそうに声をあげた。

そこには、移動魔法の跡。


「貴方達が邪魔するから、あの二人の死期が早まったのですよ」

コニスをアレンとレイの元へ送ったシリティーは無表情にそう言い放つ。


「二人共怪我してるのにっ!大変!」

「うおぉおい!?アレンが寝たぞ!」

スクリーンを見ながら変な顔のギルクが叫ぶ。


「きゃ、ラブラブっ」

「緊張感のない方達ですね」


スクリーンに気をとられる二人に、シリティーは聞こえよがしにため息をつく。


「そのまま突っ立ってて下さい。すぐに消してあげます」


そして、攻撃を繰り出した。



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