レヴィオルストーリー

 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「…何だと…」



暗い谷の中、コニスは信じられない、という表情で声をあげた。


「どうやって俺の魔術を解いた??魔術だぞ、魔法じゃなくて。」


自分の刃物と剣を交えさせる、目の前の碧の瞳に向かって聞く。


「…魔術?何だそれ。ていうかお前誰だ」


コニスを冷たく睨みながら、アレンは怒気を含んだ言葉を返した。


「俺か?俺はだな…、って、そうじゃなくて。」

「ふざけてんのか。俺の眠りを妨げるな。」

「はぁ?お前が勝手に起きたんだろ~。あのまま一生眠らす予定だったのによぉ、その女も。」


コニスはレイを顎で示した。

アレンに助けられた彼女は、震えながらも呆然として二人を見ている。


軽く跳んでアレンから離れたコニスはレイに手を伸ばした。


その直前にぐいっと引っ張られる。


「……んな」

「はい?…おわっち!」

「レイに触んな」


器用に左手で剣を握り、コニスも掴んだアレンはそのまま蹴りを入れようとする。

際どいところでコニスはかわした。


「何だよ焼きもちかい?」

「その減らず口きけなくしてやる」


完璧にキレたアレンは、掴んでいた左手を離すと神速の突きを出した。

それは標的の前で弾かれる。


「…うっとうしいね」


事前に結界を張っていたコニスはアレンを見て呟いた。


「お前がな」

「いや、お前だな」


場に合わない変なやり取りを交わし、また刃物と剣をぶつけ合った。



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