レヴィオルストーリー
コニスを倒すべく剣を振り下ろしたアレンは、はたと動きを止めた。
少年の目と鼻の先で、剣は停止する。
「……お前…」
肩で息をつきながら、アレンは自分の下に仰向けに倒れるコニスをまじまじと見る。
金髪に赤い目のその少年は──頬に一筋涙を流していた。
「…何だよ、さっさと殺れよ。」
それを拭いもせずに、コニスはアレンを睨む。
「シリティーって…。誰だ?」
「…俺の大切な彼女だよ」
少しだけ微笑むコニスに、もう戦意はなかった。
アレンはコニスから退くと座り込んで相手を眺めた。
「…彼女?お前、魔王の配下だよな…?」
「そうさぁ。ある意味特別な、ね」
むくりと起き上がったコニスは正面からアレンを見据えた。
「確かに俺は魔王様の配下だ。だけど、正真正銘の人間。俺とシリティーは、唯一配下の中で人間だった。」
切り傷のある自分の腕を眺めながら、コニスは呟く。
そして、溜まっていた何かを吐くようにひとりでに語りだした。