レヴィオルストーリー

「俺の両親は俺が産まれてすぐに魔王様に殺された。けど、俺はそんなことどうでもよかったんだ。覚えてないから。

両親は操られて配下になってて、息子の俺も自然とそうなった。
それは、シリティーも同じ。

魔王様は人間を必要としないけど、俺らのことは重宝なさったんだ。俺は強い魔力を持っていたし、シリティーは占星術師の才を受けてた。

それになにより、魔王様には人間で実験したいことができた。

確か、八年前。

四大角塔の一個を落としに行ったときに、あの魔王様が瀕死の状態で辛うじて逃げてきたんだ。

そして、まずシリティーを呼んだ。魔王様はあいつに妹を創った。それがモリティー。

だけどそれは人間じゃなかったから。シリティーは受け入れられなかった。

そんで、今度は俺が呼ばれた。そこにシリティーがいて、俺ははじめて彼女に会った。

最初は性格真逆だし喧嘩ばっかで嫌いだったんだけど、ずっと一緒にいると色々わかって。

いつのまにか、大切になってた。それで、付き合った。

そしたらだんだん、いけないことを考えるようになった。


…魔王様を裏切って逃げて、二人で暮らそうって。

そう考えて、一度逃げ出そうとした。

その時、魔王様が激怒してシリティーを殺そうとしたら、俺が魔王様の望んでいた力を発揮したんだ。

真っ白な力で、どんな魔法や魔術より強かった。

魔王様は何とかそれから逃れて。
俺はこれは消されるって思った。

だから、シリティーだけ逃がそうとした。
でもあいつは嫌だって言って。

一緒にいてくれた。

そんで、魔王様が来た。
俺は逆に褒められた。
研究できるって…。
それが、つい最近の話。」


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