レヴィオルストーリー


話し終わったコニスは満足したのか、アレンとレイに向かって微笑んだ。

優しい、人間の笑み。

その瞳は、赤が薄れて本来の色なのだろう琥珀色になりかけている。



「…今は、逃げてるの?」

レイがその瞳の変化に驚きながらも静かに聞いた。

「いや。許してもらえるのなら、生かしてもらえるのなら。このままでいようって、シリティーちゃんと決めたよ。その為には、魔王様の命令は聞かなくちゃいけない。」

だけど、とコニスは続けた。


「…お前らは消したくないな。もしかしたら本当に、魔王様を倒すかもしれない。そしたら今度こそ自由だ。」


シリティーと、二人で。



「…その、白い力って…?」

黙っていたアレンが口を開いた。

脳裏に繰り広げられる、八年前のあの光景。


その中に確かに、白い力はあった。



琥珀色の瞳と碧の瞳の視線がぶつかる。

相手の期待の眼差しに、アレンは少し戸惑った。



< 325 / 394 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop