レヴィオルストーリー
話し終わったコニスは満足したのか、アレンとレイに向かって微笑んだ。
優しい、人間の笑み。
その瞳は、赤が薄れて本来の色なのだろう琥珀色になりかけている。
「…今は、逃げてるの?」
レイがその瞳の変化に驚きながらも静かに聞いた。
「いや。許してもらえるのなら、生かしてもらえるのなら。このままでいようって、シリティーちゃんと決めたよ。その為には、魔王様の命令は聞かなくちゃいけない。」
だけど、とコニスは続けた。
「…お前らは消したくないな。もしかしたら本当に、魔王様を倒すかもしれない。そしたら今度こそ自由だ。」
シリティーと、二人で。
「…その、白い力って…?」
黙っていたアレンが口を開いた。
脳裏に繰り広げられる、八年前のあの光景。
その中に確かに、白い力はあった。
琥珀色の瞳と碧の瞳の視線がぶつかる。
相手の期待の眼差しに、アレンは少し戸惑った。