レヴィオルストーリー
「“想いの力”といわれているものです。魔力を持つものが相手を強く想っていた場合、その相手のピンチのときに働くもの」
不意に聞こえた知らない声に、レイは暗くて見えないコニスの後ろを凝視した。
そこに、白い髪の少女がいる。
こちらも赤い目が変色し、紫になりつつあった。
その後ろの空間の歪みから、ギルクとイルも這い出て来る。
「コニス…馬鹿ですね。こんな会ったばかりの人達に、誰にも話さなかったそのことを聞かせるなんて。敵なのですよ?」
しゃがんでコニスと目線を合わせたシリティーは無表情に言う。
だが紫になったその瞳は優しかった。
「…シリティーちゃん。やっぱり、逃げよう。俺は自由になりたい…」
「それは私も同じです。もう、いいです。二人で、逃げましょう」
魔王の配下だった二人は抱き合って、決意した。
「…よくわかんねぇけどここは感涙すべき?」
涙を流しながらギルクが呟く。
「あたしも自由になりた~いッ」
「あなたは十分自由でしょ…」
ギルクに抱きつくイルに半ば呆れながらレイは言った。