レヴィオルストーリー
「あっそ。じゃあ遠慮なく皆殺しにさせてもらうからぁ♪」
うふっと小首を傾げると、ロリンは数十本もの蔓を出した。
それぞれがしなりながら、四人に向かう。
「っしゃあいくぜ!」
ギルクが拳をガツンと合わせて叫んだ、その時──…。
〈…待て〉
低く、恐ろしい声が城内に響いた。
アレンはその声に、一瞬身体を強ばらせる。
〈ロリン、待て。剣士は殺すでない〉
その声の持ち主が言葉を発する度に、重い振動が地面に伝わる。
「…魔王様?どうしてですかぁ」
若干口を尖らせて、ロリンは蔓を空中で停止させた。
〈それは私が始末する。馬鹿馬鹿しい予言が間違えだと思い知らせてやるのだ。〉
狂ったように笑う。
その恐ろしい笑い声と同時に、アレンの後ろに黒い空間の歪みが現れた。
「!!」
ブラックホールのようなそれに、アレンは引きずり込まれていく。
(これ、魔王のところに…行くのか…??)
黒いこの魔力は見覚えがある。
あの日、一度きりだったが確かに見た。
「アレン!」
三人が慌てて駆け寄って来る。
「…来んな」
「え?」
「俺、魔王倒してくるから。…お前らは、ロリンとか頼むな」
そう言うと、アレンは柔らかく微笑んだ。