レヴィオルストーリー


「…めんどくせぇな」


魔王の結界はその体に密着するように薄く張られている。

並みの人間ではできないコントロールだ。

しかも薄く、といってもそこにこめられた魔力は強大。


剣では絶対に破られない。



「ちょっと…だけ」

〈ん??何だその構えは。〉


呟いたアレンが首筋に右手で触れたのを見て、魔王は笑いながら楽しそうに聞いた。



「《魔力解放》」


魔王を無視したアレンの言葉と共に、巨大な魔方陣が現れる。

金色の光がパチパチと周りで弾けて、まるで小さな花火の終わりのように消えていった。



〈??魔力…?金色など見たことがない。何だそれは…?それに封印術なんて高度なものを何故…。〉



はじめて警戒の色を見せた魔王。


(魔王も知らない、か…。)


自分でもよくわからないこの金色の魔力。

(魔王に効く力なんてあんのか…)



アレンは考えた。



魔、精、妖、占はまず無理だろう。


(その他に何か、あるか…?)



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