レヴィオルストーリー
まず、天使の“天”の力を剣に注いだ。
剣についた宝石が金色に似た黄色になる。
「《天》」
静かに唱える業名。
魔王は目を細めてそれを見た。
〈ほぅ…。珍しい力もあるものだ。貴様、天使ではなかろうに〉
「俺が天使だったらギルクが文句言うしな」
アレンはそれを想像してみた。
『アレンが天使!?どっちかっつったら悪魔だろ!!盗賊からモノ盗るしよ!!』
「…」
勝手に想像しといてムカついたアレンは、またまた勝手に後でこらしめてやると決め込んだ。
〈ふ、緊張感のないやつだ。〉
「…」
魔王はそう言うとアレンの側へ一瞬で来た。
その手に黒い渦が巻く前に、アレンは剣を振る。
しかしそれは結界によって防がれた。
「“天”は駄目か…」
〈潔く死ぬがよい〉
アレンの言葉を遮り、魔王は黒い魔力が渦巻いた腕を目の前の少年に伸ばす。
「…《星》」
それを占星術の力でよんだアレンは素早く避けた。