レヴィオルストーリー
「ギルク?!何してるのよ!!」
結界の外で無防備な姿をさらけ出す仲間に驚き、レイは珍しく大声をあげる。
「まぁ見てろって」
目を閉じたまま、ギルクは笑う。
(ずっと修行してきた技。)
毎日の修行の中で、一人で黙々と続けていた。
自分には魔力がないから、どうしても魔力持ちの敵との戦いでは不利になる。
その為、編み出したものだ。
微かな流れも見逃さない。
「…そこか」
呟いたギルクはいきなり蔓の中心に攻撃しだした。
それも物凄い力と速さで。
「!!しまった…」
ロリンが慌てて蔓を引く。
しかし巨大なそれは重く、なかなか速くは動かない。
そうこうしているうちに、蔓は魔力を分散して砕け散った。
「ぎ、ギルク?」
イルが目を真ん丸にさせて、彼を見つめた。
「はっはっは、凄いだろ!魔力の集まる場所を集中攻撃してやった!」
得意そうにピースしたギルクに、レイは首を傾げた。
「魔力がないのにわかったの?」
その問いに、何故かギルクはイルを見た。
「何かさ、魔力にも流れってあるじゃん。血液みたいな。注入してるわけだしよ。
イルの魔法見てる内にそれに気付いてよ、密かに修行してたんだ。」
「…ギルク、天才!!最高!!」
「だろ!!」
抱きついてきたイルの頭を撫で、ギルクは笑った。