レヴィオルストーリー
39.大広間
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ロリンを破った三人は、暗黒城の黒い階段を登っていく。
「何だかずぅっとおんなじ景色…。もう何階まで上がればいいのよぅッ」
「トレーニングだぜ!」
「こんなときにトレーニングしてどうするのよ。」
普段とあまり変わらない会話をしているが、足は絶え間なく動き素早く駆けてく。
「何か聞こえるわ」
急にレイが囁いて上を見上げた。
パラパラと砂ぼこりが落ちてくる。
微かに衝突音のようなものが聞こえた。
「アレンと魔王だねッ」
「どんだけ激しい動きしてんだよあいつ」
「急ぎましょ。ほら、景色が変わったわ。」
レイの言う通り、次の階段を駆け上がると大広間らしい広い空間に出た。
「これの上の階にいるみたいだな…」
天井が揺れているのを見たギルクは、真剣な顔付きで神妙に呟く。
「ぷっ!」
「!?何だよイル!何で笑うんだよ!」
「だ、だって…、ギルクが、そんな顔で、真剣に…、あは、め、滅多にないじゃん、あははははっ」
「俺だってたまには真剣にもなるわボケ!」
「あははははあはははは」
「いい加減にして」
無表情で言ったレイの言葉にイルは込み上げる笑いを何とか呑み込んだ。