レヴィオルストーリー
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アレンは魔王と攻防戦を繰り広げていた。
火傷や切り傷などの怪我がところどころにあるアレンに比べ、魔王は切り傷一筋を負っただけだ。
(さっき、何かが結界を破った)
一筋だけ入れることのできた太刀筋。
そのときアレンは、特に剣に魔力をこめてはいなかった。
だがそれで、破ったのだ。
(白魔法、知らない内に使ったかな。でも白い光はなかったし…。)
考えている間にも、魔王は次々と黒魔法を発動させる。
それを避けたり結界で防ぐ。
それでもいくらかはアレンの体に傷を残していた。
(あ~もう…。うぜぇ。めんどくさい…。)
その時、魔王が少し違う動きを見せた。
〈死ね〉
「!!」
慌ててサッと回避する。
───ドォン!
魔王が放ったそれは、床に激突してぽっかりと穴を作った。
「あ、危な…。黒魔術…。」
穴の下を若干見下ろして、アレンは呟いた。
「あ…!!」
「ん?」
アレンの視線が広い空間の一点で止まった。
三人が、自分を見上げている。
〈…仲間の三人か。ロリンを破るとは。〉
「…イル!」
ハッと思い付いたアレンは下にいる一人の少女の名を呼んだ。