レヴィオルストーリー
「ゴア峡谷までは1日くらいしかかからないんだ。けど、峡谷を抜けるには2日はかかる。あそこは複雑だから…」
アレンはめんどくさそうな顔をして説明した。
「え?俺らは一週間もかかって抜けたのに?!」
「あんなの2日で抜けれるわけないじゃないっ」
そう言うギルクとイルの言葉は無視して、先に進んだアレンとレイ。
「あ~ん、待ってったら~」
「ちょっとくらい反応してくれてもいいじゃねぇかよぉ~」
イルとギルクは二人を追いかけながら言った。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
サート砂漠を歩いて半日。
早朝に出たおかげでもう半分は進んでいた。
「あ゙づい゙…」
「あつ…い」
「ギルクとイルったら、そんなに暑い暑い言ったら余計に暑くなるじゃない」
さっきから「暑い」しか言わない二人を叱りつけたレイ。
「ね、アレン」
アレンに話をふった。
「暑い…」
「全く、三人とも、シャキッとしなさいよッ」
レイはアレンも「暑い」と言ってたので不機嫌になり、そう言った。
「シャキッとはしてるだろ」
そう言うアレンはたしかにちゃんと歩いている。
しかし…
「…ギルク、イル。早くしろ…。」
アレンにそう言われただらけ組の二人は、嫌そうに「え~…」と言った。
「…ギルク、おんぶして♪」
「はひ?!」
急にイルに背中に飛び付かれたギルクは驚いて変な声をあげてしまった。
「…っしゃあ~、しっかり掴まってろよ~!!」
半分ヤケになり、ギルクは先頭のアレンを抜いて突っ走って行った。
「………………。」
さっきと逆の立場になった。
ギルクとイルはどんどん遠ざかって行く。
「あ゙~もう、めんどくさいな!!」
そう言ったアレンはひょいっとレイを肩に担ぎ上げ、物凄い勢いとスピードで走り出した。
「ひゃ、あ、アレン!?はやッ…?!」
いきなり担がれて、しかも自分では到底無理な速さで走られ、レイは驚いて思わずアレンの首に思いっきりしがみついてしまった。