レヴィオルストーリー

 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「さてと、始めようか。」

フェニスは目の前の小さな少女にそう言った。


「どぉんと来いッ!」

イルは偉そうに威張る。



「それじゃ遠慮なく」

無表情のまま、フェニスはまた剣を暗い紫に光らせる。


「妖剣士なのねッ??」

「正解。よくわかったね。剣と魔力の融合なんて滅多に見れるモンじゃないよ。」


少しだけ笑って、フェニスはイルに向かって駆け出した。



「《光飛鳥》ッ」

イルはそれに、魔法で答える。


通常の魔法でなく、白魔法で。




白く光るそれは鳥の形へと変わり、向かい来るフェニスに襲いかかった。



「ちっ、白魔法かよ。」



少し苛ついた様子の男は、赤い髪を揺らしながらそれを避けた。



「やぁ~っぱり。光系の魔法は無理なんだッ♪」

「…ナメるなよ」


低く呟いたフェニスはいつのまにかイルの背後にまわっていた。



「あっ!?」


素早く避けるも、腕を掠めてしまった。


「魔法使いのくせに速いな。」

「元忍者ですから☆」


ウインクするイル。


全く緊張感がない。




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