レヴィオルストーリー
「その余裕がムカつく。」
全く表情を変えずに、声だけ苛ついたフェニスは次々と剣を振るう。
イルはどれもすれすれで何とか避けた。
「ああん、もうっ。攻撃するヒマないじゃあん!」
今度はイルがイライラしてきた。
その間もフェニスは突きを繰り出す。
「わわ…っと、ふぅ。わっ。んもぉ、うざいぃい~!!」
痺れを切らしたイルは手を前に突きだした。
フェニスの剣が、その手を切りつけた、はずだった。
────キィン!
「は?」
急に響いた金属音に、フェニスは無表情だった顔に驚きの色を見せ、目を丸くした。
そっと剣を離すと。
イルの手には、クナイが握られていた。
「…元忍者だから、か」
「そぉよ!武器には武器を♪あたしも真似しちゃお~ッ☆」
ニコッと笑ったイルは、魔力をクナイに籠めだした。
「すごい強力な魔力だな…。」
フェニスはイルを見てまた驚いたようだ。